フィールドレコーディングによる録音に変調と加工を施し、音によって現れる空間とその境界の変化をテーマとした音響作品。
空間再現や高臨場感再生を得意とする立体音響の特性 が、こうしたフィールドレコーディング的な素材を使用した作品にも効果的であると考えて制作を行なった。
- 2021
- 音響作品
Exhibits
東京藝術大学 芸術情報センター オープンラボ 2022 「擬風景展」
-2022
-東京藝術大学 大学美術館 陳列館
Credits
音響:池田翔
作曲:田中小太郎
Awards
- 日本オーディオ協会
第7回「学生の制作する音楽録音作品コンテスト」最優秀賞
[System]
Speaker Mid7ch:Genelec 8020 ×8
Top9ch/Bottom7ch:Yamaha VXS1 ×16
SubWoofer Yamaha VXS3SB ×2
PowerAmp J.TESORI MBA-32
シェフェールから始まったミュージックコンクレートや、ノイズミュージック的なマルチチャンネル音響を使用した作品は現在までにそこまで多く制作されていない。空間再現や高臨場感再生を得意とするマルチチャンネル音響システムの特性が、こうしたフィールドレコーディング的な素材を使用した音楽にも効果的であると考えて制作を行なった。
フィールドレコーディングをした素材を使用した。全てのミキシングにおいてアンビエンスという360度再現できるフォーマットを用いて行い、フィールドレコーディングでもアンビソニックスを用いるなどの工夫をした。ミキシングでは空間の大きさや場所を積極的に変化させ、作曲の意図がわかりやすいように心がけた。音楽はミュージックコンクレート的な手法で作曲しし、フィールドレコーディン グ的な素材に変調やグリッチを施すことによって空間の変化や移動などを 強調する意図がある。マルチチャンネルの特性を生かしてアンビエンスの音などを多く配置した。
とても小さい部屋のような緊迫感のある音から、外の開放的な音へと変化し、それらが変調によってカオスな空間へと変化していく。最後は急激に最初の空間へと戻ることによって、鑑賞者が最初と最後で同じ空間に対して抱く印象が変化することを誘導した。