創作を語る視点、特に「人称」という概念に焦点を当てた立体音響作品。
人称のうち、今回は一人称と三人称を音によって表現することを試みた。
視覚を使用しない作品では「作品の視点」が重要になり、代表的な概念が「人称」であると考え制作を行なった。
音によって現われる空間を変化させることで、この作品の語り手が音自身から鑑賞者へと変化する。
- 2023
- サウンドインスタレーション
Exhibits
みなそこにてひかりかがやく
-2023
–chromatic gallary(東京、原宿)
[System]
Speaker Top 4ch:Onkyo ST-V15XM ×4
Bottom4ch:Pioneer S-A4SPT×4
本作品は大きく4セクションから構成される。
・セクション1
小さな部屋で日常的な動作を行う。これは鑑賞者の周りで動作が行われるような3人称的な音で表現され、フォーリー的な音を多く使用した。
・セクション2
交差点や商店街などでの音を使用した。特に足音がキーとなる音で、3人称的な足音が徐々に近づき、心情を表すような特徴的なリバーブをまとって1人称的な音が生成される。
・セクション3
1人称的な音のセクションで、傘を刺した際の雨音などが特徴的である。傘を刺している本人にしか聞こえない、上の方で雨が傘に当たる音が1人称的音として表現される。
・セクション4
1人称的な音が急に部屋に入った瞬間に3人称的な音に戻る。動作音などで現実的な音を提示した後に、最後に向かいノイズが提示されることによってこれがすべて作られた音であることを明示する。