その場にある音に対してリアルタイムに音響情報を付加し、あるいは改変していく音響装置。
ランダムに設定された残響やこだまが鑑賞者の認識を変化させる。私たちが音の情報をどのように感じ、どのように捉えるのかを探るための実践。
この装置が周りでなっている音楽・音響作品に対して、どのような影響をもたらすのか、また、他の作品からの影響をどのように受けるのか、さらには鑑賞者がそれをどのように認識するのかについて実験的に展示を行った。
- 2023
- 音響作品、サウンドインスタレーション
Exhibits
展示名
-2023
-藝祭2023 有志展示 「音 換ゆる方法」
[System]
Speaker Yamaha MS101-4×8
本作品は音作品のみを使用したグループ展の中で展示された。
複数の音響が存在する空間はそれぞれが干渉してしまい、境界線が曖昧になる。そのため、美術や音楽の文脈ではそれが悪として排除されるが、本グループ展ではその面を反対に利用しようとしてスタートした。その中でも本作品は他の音がなければ成立しないが、空間に与える影響は膨大なものであった。
技術的な面では、空間全体を捉えることのできるアンビソニックスマイクで集音した音源にリバーブやディレイを付与してスピーカーから再生しているが、単純にこれを行うとハウリングが起こるため、人工知能を使用してこれを防いだ。
リバーブの残響時間や初期反射、ディレイの回数や時間はランダムに設定されるが、音源の再生レベルがあるラインを一定時間超えるとそれが記録され、データベースとして以後参照されるようになる。これを複数回行うと、フィードバックの発生しないリバーブとディレイのパラメーターが生成され、展示中に最適化が行われるものを目指した。